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執筆者の写真くるくるチャンネル事務局

くるくる保健室No.11 『健康寿命は肺活から!』

くるくる保健室Noなし

性別にみた死因順位別死亡率を見ると男性の3位に「肺炎」8位に「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」 女性の4位に「肺炎」が入っています。 意外と呼吸器疾患が死因の上位を占めているのに驚かられた方も多いのではないでしょうか。

ここで注目したいのが最近テレビコマーシャルや新聞等で話題のCOPDですが、慢性閉塞性肺疾患と呼ばれ日本人の40歳以上の8.6%、約530万人の患者がいて、そのほとんどが未診断、未治療の状態。

初期症状が風邪や気管支炎とよく似ているために見過ごしやすいのと、進行が遅いので受診も遅れやすく、原因は喫煙で起こりやすく、タバコを吸うと煙の中のタールをはじめ、多種の有害物質が肺だけではなく全身に慢性炎症を起こします。


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男性の死因の8位という事で女性より男性の方が喫煙者が多いので今回はこのような結果になりましたが、男性の喫煙率は低下傾向にあるのに対し女性の喫煙率が上昇している点ではこれから女性の死因の10位以内にランクアップしてくると懸念されております。

全身の慢性炎症の状態が長年続くと、酸素と二酸化炭素を交換する大切な部位である肺の肺胞という部分が壊れていって、末梢は酸素不足に陥ります。

一度壊れた肺胞は元には戻らないんだそうです。

肺は元々我慢強い臓器で、大事に使えば120歳までは充分に機能を保つのですが、喫煙歴のある人だけではなく、周囲の喫煙者からの副流煙を吸った人にもリスクがあったり、禁煙20年後に発病するというケースも報告されております。

勿論タバコは肺がんのリスクにもなるわけですが、昨今の諸事情で喫煙者が減少しているにもかかわらず、なかなか肺がんの罹患率が下がらないのは不思議ですね? もしかするとタバコ以上に肺がんに罹る原因物質が何かあるのではないかと推測します。

今回はあえてその原因物質は現在調査中なので市民の皆様にはお知らせ出来ません。 調査結果が出ましたら分析検討しまたお知らせしますね。 ごめんなさい!

しかし、男女ともに死因の上位にランクしている『肺炎』をしっかり予防できれば健康寿命も延ばすことができそうですね(^_^) 今回は肺炎を発症させない生活習慣術を学んでいきましょう。

昨年の暮れから年が明け立春過ぎくらいまで患者さんの話からまとめるとずいぶんインフルエンザが蔓延していましたね。 暮れには我が息子も日曜診療にインフルエンザで連れて行きました。 これで3年連続です。この数年の正月の風物詩化しています(笑)

肺炎でお亡くなりになる方の大半は65歳以上の高齢者です。 高齢者には糖尿病や肺の慢性病を持つ人も多くやはり予防が大切です。

肺炎の主な症状は咳と痰と熱です。 風邪やインフルエンザなどが上気道と呼ぶ喉の周辺で炎症を起こすのに対し、肺炎はもっと奥の肺にまで炎症が起こります。

原因は様々な細菌やウイルスで、風邪が長引くと傷ついた粘膜にこれらが入り込み、肺炎を発症しやすくなります。 肺炎の種類は日常生活の中で罹る場合と病院に入院中に感染してしまう場合と口の中の細菌などが誤って肺に入って起こす誤嚥性などに分類されます。 一般の生活の中で起こる肺炎のうち、約3割は『肺炎球菌』が原因だそうです。 肺炎球菌だけでも93種類ほどあるそうです。 肺炎球菌は肺に炎症を起こすだけでなく、いくつかの種類では髄膜炎や中耳炎、心臓の炎症、関節炎など全身に広がる場合もあるので注意を要します。

若い方が肺炎になった場合は、風邪の時より高い熱や粘り気のある痰が出ます。 これは、感染初期に発熱があるのは体内で病原体と戦う免疫の作用によるものです。 一方、免疫力が低下した高齢者の肺炎は熱が出にくいというのが特徴です。 上記に記載した慢性閉塞性肺疾患などを持つ人も多く、息を一気に出す力が弱い為、痰も出せないことも多いです。

肺炎球菌が原因で肺炎になると、抗生物質で菌を排除出来ても肺の機能障害が残存することが多く、これは高齢者の肺の構造が変わり働きが低下してしまうからです。 その為、専門家はワクチンを活用した予防が大切だと強調しています。

国は昨年平成26年10月から肺炎球菌ワクチンの接種を推奨し高齢者向きワクチンの公費助成を受けられる定期接種になりました。

平成30年度までは65歳以上が5歳刻みで助成対象となっており、60~64歳も心臓、腎臓、呼吸器の機能に重い障害がある人やヒト免疫不全ウイルスにより免疫の働きに問題がある人にも一部対象としておりますので、自己負担額等詳細は東久留米市役所健康課にお問い合わせしてみるとよいかもしれませんね。

肺炎球菌は人から人に唾などで飛沫感染は致しますが、遺伝子のタイプの変化は少ないので、この点は毎年流行る型が変化するインフルエンザウイルスとは異なりますが、ワクチンを接種しても絶対に罹らないというわけではございませんし、症状を軽くするという程度ですので、やはり重要なのは睡眠や栄養といったその方の生活習慣がなんといって一番の予防であり日頃から体力や抵抗力、肺の活力(肺活)が身につけておくことが大事です。

ここからは、いくつか肺活に有効なトレーニングをご紹介致します。

呼吸に関わる筋肉は吸気筋として胸鎖乳突筋・斜角筋・外肋間筋・肋軟骨間筋・外腹斜筋等があり呼気筋として内肋間筋・内腹斜筋・腹横筋・腹直筋等がございますが、主役は横隔膜と肋間筋です。

運動で鍛えられるのは、あくまでも呼吸を補助する筋肉だけで、呼吸能力を直接高められる行為は呼吸だけです。

以前にも自律神経の調整を自分の意志で行うことが出来るのは呼吸だけだとくるくる保健室の記事に書いたことがございますが、呼吸は肺活にも重要だったんですね!


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しかし最近の我々の生活スタイルがスマホやパソコンを使う機会が多く前かがみの姿勢になりやすくこの不良姿勢が肺機能を低下させてしまう要因になってしまうため、各トレーニングの際の姿勢が大切です。

 猫背になって胸郭が開かない状態ではなく、よい姿勢で軽く胸を張り、肩甲骨の柔軟性を確保するよう心掛けて行って下さいね。

1.口すぼめ呼吸トレーニング  (ストローで息を吐くように呼吸する)

① 声を出さずに頭の中で「1,2」と数を数えながら、鼻から息をゆっくりと吸い込む。

②口を薄く開き、吸うときの4~5倍の時間をかけて長く息を吐き切る。     ①、②を1~2分間繰り返す。

2.腹式呼吸トレーニング

 ①軽く膝を曲げ、腹筋の緊張を解いて仰向けに寝る。腹の上のペットボトル(500㎖)の重みを意識しながら鼻から息を吸う。(横隔膜が下がり腹圧が高まってお腹がふくれる)

 ②ペットボトルが沈むよう腹を凹ませ、できるだけ長く口から息を吐き続ける。(横隔膜が上がってお腹がへっこむ) ①、②を5~10分間繰り返す。  

3.肩甲骨伸ばし呼吸トレーニング

 ①背筋を伸ばして立ち、肘を肩の高さに上げる。息を鼻から吸いながら肩甲骨の間隔を最大限に狭める。

 ②次に両足を肩幅に開いて立つ。目の前に大きな木が立っていることをイメージし、太い幹に両腕を回す。

  ③木の幹に両腕を回す意識で、口から息を吐きつつ膝を曲げ、お尻を引き、両手を前方に。肩甲骨を開く。

  ④息を吐き切ったところで、もうひと息吐く。吐く際に上体を左右にひねるのも肩甲骨をよく動かせ効果的。

4.ZEN呼吸法

 ①両足を腰幅に開いたら、仙骨が立つように、手のひらで仙骨の下をおなか側に押し込む。

  ②仙骨が立つと、猫背や出っ尻ではない、正しい姿勢になる。そして、おなかをソフトに締める。

  ③鼻からゆっくり長く息を吐く。最初は8秒位が目標です。吐き切ったら自然に吸います。

  ④頭の上に「お薬バター」が載っていて、そのバターが内臓や器官1つひとつに向かって溶け流れ、湿っていくようなイメージで行う。

5.今ここ集中呼吸(呼吸のマインドフルネス)

 ①手のひらを胸の前で合わせて、合掌のポーズを取る。

  ②鼻からゆっくり4秒ほどかけて息を吸い込みながら、合掌したまま手を頭上に押し上げて行く。

  ③下腹部に力を込めて、両手は上げたままで、7秒ほど息を止めます。 吸い込んだ息を体のすみずみまで行き渡らせる感じをイメージする。

  ④両手を広げ、8秒ほどかけてゆっくり手を下ろしながら、息を吐き切る。

ここにいくつかの呼吸法やトレーニング法をご紹介致しましたが、全部やるという訳ではなくご自分に合う物があれば実践してみてください。

しかしどれにも共通する事として大事なのはとにかく息を長く吐き切る事がポイントです。

順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者として、数多くのトップアスリートのコンディショニングパフォーマンス向上・指導に関わっている小林弘幸先生もおっしゃっておりますが、充分に息を吐かないと頚部にある圧受容体という自律神経のセンサーが反応しませんので、吸気ではなく呼気でしかこのセンサーは反応しないのでとにかく吐き切る事!長が息は永が生きに繋がります。

息を吐くことが自律神経を整えるポイントで自律神経が整うと血流がうまく循環し免疫力もUPし病気が寄りつかなくなります。

いい呼吸はいい感情を生み出し、イライラや緊張・不安等の思考能力やパフォーマンスまで変える事が出来ます。呼吸は心と躰を密接に繋げるパイプ役としての働きもあるのですね。

『誤嚥性肺炎』 高齢者に多い肺炎のうち、特に注意すべきなのが、細菌が唾液や食べ物と一緒に肺に流れ込んで生じる肺炎がこの誤嚥性肺炎です。 なんと70歳以上で肺炎と診断された人の70%以上、90歳以上に限ると約95%がこの誤嚥性だといわれております。 年齢を重ねると飲み込む力がどうしても衰えますし、口の中を清潔に保つことと、飲み込む機能などを高める訓練をここではご紹介し誤嚥性肺炎の予防に繋げて頂ければ幸いです。

通常、口から食べたり飲んだりした物や唾液は喉から食道を通って胃に送られます。 これを嚥下といいますが、飲み込む際は、食道の隣の気管に間違って飲食物等が入らないように、蓋が閉まる仕組みになっていますが、もし誤って入っても、咳をしたりむせたりして気管の外に押し出されるシステムが元々我々の体には備わっていますが、年齢とともにこうした機能は低下し、脳梗塞の後遺症があったり認知症を患っている高齢者の方たちは特に、神経の働きが低下し、誤って入った物を咳で外に出す力も弱まってしまう訳です。

空気の通り道である気管は喉の奥の辺りで分岐して左右の肺に伸びるのですが、右側の管の方が太く、角度も鋭いため飲食物が入りやすい構造になっています。 ですから、誤嚥性肺炎は右肺に症状が出るケースが多いと云われております。

また、いったん胃に入った食べ物や胃液が気管に逆流し、その中に含まれる細菌が肺に達してしまうケースも報告されております。

高齢女性で骨粗鬆症があり背中が丸く曲がった状態となる円背や亀背の方は、横隔膜にあいた穴から胃の上部が肺の方に飛び出す食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎を発症しやすく、胃の上部に貯まった食べ物が気管側に逆流しやすいため、食後の3時間はなるべくすぐには横にならないようにした方がいいです。

その他、唾液の成分が若い頃とは異なってくることも影響しております。 若い方でも、唾液や飲食物が気管に入って細菌などが肺に達することはよくあります。 しかし、そんな時に備えて我々の体の唾液中には細菌類の増殖を抑える成分が含まれており(ラクトフェリン・シアロペルオキシダーゼ・アグルチニン・リゾチーム等)、肺での菌の増殖を防いでいるわけですが、この成分も若いときは分泌量が多いのですが、年齢と共に減少してしまいます。

口の中には約400種類の細菌類が棲んでいるといわれております。 通常健康な人の口の中に普通にいる常在菌が誤嚥性肺炎の原因菌になる事が多い様です。 ちなみに虫歯や歯周病の原因菌はこの一部のミュータンス菌が代表格です。 口腔内は酸性に傾くとこの菌たちが活性化し虫歯になりやすくなりますので、食後はあまり時間を空けずに歯磨きをしましょうね!


病気の後遺症や体力の低下等で歯磨きが不十分になると、歯と歯茎の間に細菌の塊である歯垢が出来やすくなり、口の中の衛生状態が悪化します。 嚥下障害と合わさって細菌が肺に入ってしまいます。

肺炎球菌には予防用のワクチンがある事は先ほどお話し致しましたが誤嚥性肺炎には口の中を清潔に保つ『口腔ケア』と喉周辺の筋力アップが最高の予防法です。

誤嚥性肺炎は通常の肺炎と異なり何度も繰り返す事が多く、入院したり寝たきりになると、喉周辺の筋力が低下し、認知症も進んでより誤嚥性肺炎になりやすくなると言った悪循環に陥ってしまいます。

こうした中で最近は抗生物質が効きにくい耐性菌が出てきてより治療が困難となり亡くなる人も多くなっております。

ご自身で喀痰することが出来ればよいのですが、要介護状態の人では痰を自力で吐くのも難しく、寝たきりの人がいれば、右肺辺りでごろごろといった音がしないかどうか、周囲の方たちが是非確認してほしいです。 このごろごろという音は外に出せない痰が移動している音だそうです。

国内の高齢者福祉施設の入居者を対象に、口腔ケアの有無と肺炎の発症率を2年間追跡したところ、ケアによって発症率を約半分に軽減出来たという報告もございますし、口腔ケアをすると咳の反射も改善するとの報告もございます。 気管に入った異物を外に出す力が高まることが誤嚥性肺炎の予防に繋がっていると見られております。 高齢者を在宅で介護する家庭を訪れる訪問診療に口腔ケアを取り入れた結果、肺炎の再発件数が減少したという報告も挙がっております。 口腔ケアは口腔内の歯や粘膜、舌などの汚れを取り除く器質的ケアと口腔機能の維持・回復を目的とした機能的ケアから成りますが、歯ブラシでのブラッシングに加え、デンタルフロスや歯間ブラシ用いて歯垢(プラーク)をきちんと除去するとともに、特にお勧めは起床後にうがいをすると共に舌の上にある舌苔(白っぽく舌の上に付着しているばい菌)を舌みがきブラシで磨くことを推奨しております。 この白っぽいばい菌はカビの一種のカンジタ菌で誤嚥性肺炎は勿論のこと口臭の原因にもなりますので異性に嫌がられない為にもしっかりと舌も磨きましょうね!

『誤嚥する可能性が高いかどうか見極める方法』 ご本人やご家族が誤嚥するかどうか確かめる簡易的な方法がございますのでご紹介致します。

喉仏辺りを人差し指と中指で優しく触れ、30秒間に何回、唾液をごっくんと飲み込めるかを調べます。 3回以下だと誤嚥する可能性が高いそうです。

『のみ込む力鍛錬法』 最後に口腔内や喉周り舌の強化トレーニングのやり方をいくつかご紹介致します。 はじめにどのトレーニングをするにでも最初の基本姿勢をつくります。 (すべて椅子に座ってのやり方でご説明致します。) 座面がフラットで硬いものを選び、座面の前半分に座るつもりでその時お尻の下の座骨(坐骨結節)の位置をしっかり前後左右に動かし確認し意識して、しっくり重心が座るところで骨盤を立て背筋を伸ばし座ります。準備運動として緊張をほぐす意味で、頸を回したり肩甲骨を回したり、舌を左右に動かしたりしてみましょう。

1.ベロ回し体操 この体操は、「ベロ回し」「ベロ押し」「ベロ出し」の3つ動きの総称です。 ベロ回しは舌のトレーニング中の基本で、舌を口の中でぐるぐると回すことで、顔と首の70種類もの筋肉が鍛えられます。 顔の表情筋(大・小頬骨筋、眼輪筋、鼻根筋、上唇鼻翼挙筋、口輪筋等)や喉周りの舌骨筋群(顎舌骨筋、茎突舌骨筋、顎二腹筋、肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋、オトガイ舌骨筋、甲状舌骨筋等)です。

特に舌骨上・下筋群が衰えると、舌の根元にある舌骨(喉仏)の位置が下がり、顎周りの筋肉と脂肪、皮膚が下がって、顎や頸がたるみます。 ベロ回しで舌骨の位置が上がると、顎や頸のたるみがスッキリ解消もしますし、口の周辺の筋肉を動かす事は、脳の血流を促すことにも繋がるので、認知症の予防や子供達の学力アップにも効果を発揮致します。

そして、舌を動かすことで、唾液が沢山分泌され、ドライマウスや口内炎の改善にも繋がります。 また、唾液には若返りホルモンのパロチンなどが含まれているので、美肌効果も得られ、自然治癒力もアップすると考えられております。

ベロ回しでは、口周りの筋肉だけではなく、そこからつながる喉や鼻、目、額そして後頭部まで、あらゆる筋肉が動きます。 ですから、いびきや鼻詰まり、眼精疲労、緊張性頭痛などの改善にも効果が期待されております。

同時にリンパが流れやすくなりますので、顔の筋肉を動かすことで、200以上もある頸から上のリンパ節の循環を活性化させ、老廃物を押し流し、むくみやくすみの解消にまで効果が期待されております。

ベロ押しで舌で上顎を押し、舌骨から頭蓋骨へとつながる茎突舌骨筋を鍛え、ベロ出しで舌骨を引き上げるオトガイ舌骨筋を鍛え、舌骨が正しい位置に戻ることによって、頸椎の歪みも自家矯正され自律神経のルートも補正され特に副交感神経が優位(脳神経の一つ迷走神経の活性化)になりリラックスした体を手に入れる事が出来ます。

<参考>        上下の歯噛み合わせる→交感神経優位→体が緊張        歯を噛み合せず緩める→副交感神経優位→体がリラックス

 「ベロ回し体操」は朝昼晩の1日3回行うのが理想的ですが、なかなか昼間は無理という方は夜寝る前に行う習慣をつけると、口周りの筋肉の疲労がとれ、ぐっすりと眠れる様になります。 顔のリンパの流れも促され、起床時にはお顔がむくまずスッキリとした印象になるでしょう!

「ベロ回し」 ①  時計回りに、外側の歯茎をなぞるように舌を回す。 最初は2秒で1周のスピードで、慣れてきたら3秒で1周させる。 最初は20回が目安。

②逆回りに、外側の歯茎をなぞるように舌を回す。 ①と同様、逆周りに舌を回す。

※同じ方向を20回連続で回すのが大変な場合は、時計回り10回→逆回り10回→時計回り10回→逆回り10回、と交互に回す。

「ベロ押し」 ①口を開け、人差し指の横幅分、上下の歯を開く。

②上顎の膨らみ(スポット)前歯の裏から約5㎜内側で、舌で触れると盛り上がっていると ころに舌先をくっつける。

③舌で上顎を10秒間、強く押す。

④5秒休む

⑤③と④を3回繰り返す

  ※慣れてきたら、舌先だけではなく、舌の後ろのほうも使って、上顎を押す運動もよい。

「ベロ出し」 ①背筋を伸ばし、40度位、斜め上を見て顔を上げる。

②舌をゆっくりと前へ突き出し、下顎も軽く前に出す。この時下顎から喉までの筋肉が張った感じが出ればOK

③舌を上に向けて、10秒間、そのまま保つ。

④舌を下に向けて、10秒間、そのまま保つ

⑤③と④を3回繰り返す。

2.口ぱくぱく体操 応用編 ①親指と人差し指で耳介のすぐ内側にある神門という耳のツボをつまむ。   耳は迷走神経が分布していて、特に神門というツボは自律神経の調整やバランスに関わっている。

②斜め後方に向かって耳を引っ張り、口を閉じる。

③下顎を上下に動かして1秒に1回のペースで口を開閉する。

④耳から指を離し、舌先を前歯の裏側の付け根に当てて顎を上げる。

⑤前歯から舌を離し、親指と人差し指で左右の耳たぶを軽くつまむ。

⑥つまんだ耳たぶを斜め前に引っ張りながら口を閉じる。

⑦そのまま下顎を上下させて口を20回ぱくぱく開閉させる。

3.あいうべ体操 この運動は、お口の問題だけではなく、例えばアレルギー性疾患や便秘、顔のむくみ等様々な不快症状を改善する可能性があり、特に最近では介護老人福祉センターや小・中学校の子供さん達が学校でインフルエンザの予防体操の一つとして取り組み成果を上げているという報告がございます。

口腔内の唾液の分泌量が増し免疫力がアップするからでしょうね!

この体操によって本来は上顎にぴたりとついている舌の位置を元に戻す事が出来ます。 舌の先が前歯の裏に当たっていたり、舌の両側に歯形が付いていたりする方は舌の位置が本来の場所より下がっております。

この体操、1日30回を2~3回に分けて行うといいそうです。 顎関節症等で顎が痛い方は「い~」「う~」だけでも大丈夫です。 お風呂に入りながらやるのもいいそうですよ!

 ①「あ~」と口を大きく開く  口が楕円形に開くようにイメージし、喉の奥が見えるまで大きく開けましょう。

②「い~」と口を大きく横に開く 前歯が見えて頬の筋肉が両耳の脇に寄るくらい、横にグッと開く。 きちんと開くと、頸 に筋肉のスジが浮き出るはず。

③「う~」と口を強く前に突き出す 口をしっかり閉じるための体操です。 口を真一文字に結ぶだけでは、さほど大きな動き にはならず、唇をとがらせて前方に突き出すことで、口の周りの筋肉が収縮し、より広範囲の筋肉を鍛えることが出来る。

④「べぇ~」と舌を突き出して下に伸ばす

  舌を思いっきり出すと、舌根部が少し痛みを感じるかもしれませんが、少し刺激を入れた方が効果的。 思いっきり出した舌を口にしまい、歯茎の内側・外側を一周舌先で時計回り反時計回りで舐め回すという応用編もございます。

以上いくつかの体操をご紹介致しましたが、やはり呼吸法と同様ご自分に合った物だけやって頂ければ幸いです。 『口は災いの元』と云いますが、ここでは口は消化器系の始まりで鼻は呼吸器系の始まりです。 『鼻・口は病の源』と云っても決して過言ではございません。鼻からいい空気を吸って口からいい水を飲みいい食べ物を食べていれば病気は我々の体には入ってこないでしょうね。 そして、肺活をしっかり行い肺炎にならない生活習慣を確立し元気で長生き、しっかり長息をし、目標の健康寿命の延長とピンピン・コロリを合い言葉に顔晴りましょう。(^_^)

<参考文献> 『クロワッサン2015 1/10号』         マガジンハウス 『呼吸法で体と心が劇的に変わる』        マキノ出版 『おきなわ健康大学』       宮城正照著  テラサプランニング 『ゆほびか2015 3月号』            マキノ出版 『超一流の人の健康の極意』    小林弘幸著  ポプラ社 『健康は呼吸で決まる』      西原克成著  実業之日本社 『呼吸の本』           谷川俊太郎著                  加藤俊朗著  サンガ

かわい接骨院・じょんのび治療室 主宰 川合 晃生

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