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執筆者の写真くるくるチャンネル事務局

くるくる保健室No.17『第1回くるくる市民公開講座 その2』

平成28年12月4日に市民プラザホールにて第1回くるくる市民公開講座よそでは聞けない話」を開催しました。かわい接骨院の川合先生をお迎えし、『厳しい冬はこれで乗り切る!  ~姿勢・血行・呼吸法~』と題してご講演いただきました。

くるくる保健室ではその際にお話いただいた内容を数回に分けて掲載させていただきます!!今回はその第2弾。体操のポイントもありますのでどうぞご一緒に!! ※ 今回の内容は川合先生が今まで柔道整復師として鍼灸師として日頃患者さんと接している中で実際の臨床の場で得た経験や体験を元に、自分自身の身体を通して実際に実践してよかったもの、効果のあったものを厳選してお話しさせていただいています。また、文献を読んだり、お偉い先生の話を拝聴しそれを先生なりの解釈とアレンジを加え研鑽し健康効果と高いものをお話しさせていただきます。よってすべてがエビデンスといって科学的根拠に基づいたものではないという事を最初に予めお断りしておきます。


くるくる保健室Noなし

【前向きなため息実技】

前向きなため息のやり方です。(身体をゆるめる呼吸だと想ってください!) ①呼吸をしやすい様に目線を水平ラインより少しだけ上にします。 ②鼻から息を吸いながら肩を持ち上げます。 ③これ以上、息が吸えなくなったら、「ハァー」と一気に息を口から吐き出します。 ④この時に息を吐き出しながら、肩をストンと落とします。 ⑤これを3~5回繰り返します。  もしまわりの状況が許すのであれば、息を吐くときに「あ゛ー」と野太い声を出すとより効果的です。お風呂に入った時や一口目のビールを飲んだ後に自然に出てくる「あ゛ー」というあの声です・・・。おっさんのような野太い、低い響きのある声であればあるほど、効果がありますので、女性の方も恥ずかしがらずに是非とも実践してみてください。

【あいうべ体操】  ため息つながりで、あいうべ体操をご紹介させていただきます! 福岡県博多のみらいクリニック院長、今井一彰先生が提唱されている体操です。どんな体操かといいますと日本人の9割の人達が陥っていると言われる口呼吸をやめて鼻呼吸にするための体操です。今井先生も僕が以前入会していた自律神経免疫療法学会の会員でして、口の中が乾燥すると自律神経がバランスを崩すため、病気の7割がこの口呼吸からではないかとおしゃられております。  今年は特に早くからインフルエンザが流行っておりますが、今からでも充分に間に合います。福岡のある小学校でこの体操をしてたら、周りの学校と比較してインフルエンザで学校を休む子が少なくなったというデータもでています。  僕は接骨院でもこの体操を指導しておりますが、患者さんには、口は消化器で、鼻が呼吸器ですよとお話しします。しかし、最近はこの身体のシステムのルールが守られておらず口を呼吸器だと感違いされている方が多い様に思います。空気中には、ホコリや細菌、ウイルス、花粉など、様々な異物や病原菌が混じって浮遊しています。鼻呼吸でたとえそれらを吸い込んだとしても、鼻毛や鼻の粘膜に生えている線毛とそこに流れている粘液などで濾過され、多くが鼻水となって排出されます。  鼻水は一日に約1リットル位は分泌されているそうです。さらに、鼻の奥には扁桃リンパ組織という免疫の最前線があり、ここで体内に異物が入ってくるのを防御してくれます。つまり、鼻は感染を二重に防いでくれる、優れた天然のマスクです。ですから自分の身体を100%信じられる方は市販のマスクなんかはかえってしない方がいいですよ!  ただ現在風邪を引いている方は周りに菌をばらまかないためにもマスクはして下さい。さらに鼻の孔から咽頭までの約10㎝程度の気道は、血流がとても豊富で鼻から入った冷たく乾燥した空気は気道ですばやく温かく湿った状態にされ、気管から肺へと送られます。鼻は加湿機能付きの空気清浄機でもあるのです。ちなみに、鼻の中の湿度は75~90%もあります。インフルエンザウイルスや風邪のウイルスは湿度に弱く通常50%の湿度があれば、徐々に死滅すると言われています。室内では湿度計が50%を切ったら加湿器を使うとインフルエンザや風邪の予防になりますね!  その反対に、口呼吸をすると、冷たく乾燥した空気を、いきなり喉から気管、肺へ吸い込むことになります。それによって、口の中の水分が奪い取られ、唾液による殺菌・消毒作用が発揮できなくなり、口の中は、歯周病菌などの細菌が繁殖しやすい環境になるわけです。また、異物や病原菌の混じった空気を直接吸い込むことで、ウイルスが直接体内に入り込むと、インフルエンザや風邪などに感染しやすくなります。以上のように、鼻呼吸は病気を予防してくれますが、口呼吸は病気を招いてしまうのです。  鼻で呼吸するよりも口で呼吸したほうが楽なぶん、口呼吸は速く、浅くなりがちです。よく全力疾走した後はハハハっと息瀬切って、身体に熱がこもらないように小刻みに早い呼吸になりますよね、これによって身体から熱を外に放出しているので、結果的には身体を冷やしているのです。冷え予防にもゆっくりとした深い鼻呼吸の方ががいいですね!そして、鼻呼吸は口のように一気に空気を吸い込めないので、しっかり吸おうと、横隔膜を使ってゆっくり深く呼吸することになりますので、腹式呼吸に自然となって基礎代謝も上がりダイエット効果も発揮されるという訳です。その結果、酸素の肺への取り込み量は、鼻呼吸が口呼吸より1.5倍以上も多くなるのが分かっているそうです。  先ほど前向きなため息を実演して頂きましたが、口からではなく鼻から「フンッ」と吐く鼻ため息 も免疫力の低下が防げて、血流や酸素の循環よくなりなり、疲れやストレスの回復に繋がりますよ。 さて、あいうべ体操の実技・・皆さんもご一緒にやってみましょう! 入れ歯の方は歯が飛び出てしまう事があるので注意をして下さいね! ①「あー」と口を大きく開きます ②「いー」と口を大きく横に広げます 注意点  ③「うー」と口を前に突き出して唇をとがらせます  ④「べー」と舌を突き出して下顎に届く位、伸ばします  これは、あ・い・うで口の周囲の筋肉であります口輪筋や口角挙筋、顔の表情をつくる表情筋を鍛え、べーと舌を出すことで舌骨筋群を鍛えております。これによって舌を上顎の正しい位置にまで引き上げてることによって、口の開くのを防げます。  ポイントは大げさなくらい口を大きく動かすことと、ゆっくりやること、一周4秒くらいかけて行うといいです。これを1日30回。朝昼晩10回づつ分けてもいいですし朝晩15回でも、時間のある時にとにかく実践してください。顎関節症で口を開けるのが痛い人や怖い人は「いーうー」体操を3分間だけでもいいです。唾液がよく出て便秘やドライアイ・ドライマウスにも効果抜群です。これにプラスして今井先生は就寝時に口にテープを張りより鼻呼吸を意識してやるようにと言っておられます。ドラッグストアー等で専用の口テープが売ってますよね!朝起きて、口に貼ったテープが切れている様であれば夜中に口呼吸になっていたという証拠になります。  この体操はいつ、どこで行ってもかまいませんが、特におすすめは、入浴時です。風呂場なら口を開けても乾燥する心配がないのでいいです。逆に冬の寒い屋外で散歩しながら行うと口の中が乾燥してしまうので避けた方がいいですし、逆に危ない人だと想われるかもしれませんのでくれぐれも通報だけはされないようにしてください。僕は自宅で歯を磨くときにカガミを見ながら、あーと口を開けて奥歯の窪みを磨き、いーの口で奥歯の横を磨き首スジに力が入って筋張るくらい大きく横に広げて磨きます。うーの口でアヒルさんみたいに唇を少し開いて、前歯を磨きます。最後にべーで舌を出しハブラシで舌磨きをすると舌苔というベロの上に付いた苔を磨き落とすことが出来ます。 虫歯の原因菌や肺炎の原因になる細菌が口の中に300~700種類も生息しております。歯をしっかり普段から磨いていても1000~2000億個の菌があり、あまり磨かない人だと一兆個の菌が棲みついていると言われますから怖いですね・恐ろしいですね!お年寄りの肺炎は命取りになります。肺炎球菌のワクチンを打つと5年間は肺炎球菌が原因の肺炎には罹りにくいのかもしれませんが、実は誤嚥性肺炎で亡くなってしまわれる高齢者が一番肺炎の中で多いのです。その原因菌が舌の上に溜まった舌苔に潜んでいますので、ここをハブラシで磨き落とす事は寝たきりになっておられる方にも是非やられて口内環境を整え口内フローラを綺麗にし口腔ケアをすることで健康寿命を伸ばす事が出来るかと想います。  インフルエンザの話が出たので補足ですが、インフルエンザの語源は影響とか同調という意味らしく、あの人がインフルになったから、そろそろ俺も罹るかなぁと想った瞬間に影響を受け同調してしまうので、波動の原理で共鳴共振して瞬時に体にインフルが入ってしまうそうです。俺は絶対、大丈夫!かからないと自らの身体に暗示をかけるという方法もいいようです。僕はこの方法で今まで家族がインフルエンザに3人とも罹って一緒の部屋で寝ていてもうつったりもしなければ、ワクチンの接種も小学生の頃は強制的にされましたが、それ以外は打ったことはありません。そして青っぽいものを身に着けているとインフルを跳ね返すと聞いたこともあります。

【言霊】  先程「あ゛ー」っと声を出していただきましたが、声を出すこと自体、息を吐いている状態ですので、副交感神経が優位になって心身ともにリラックス出来ることになるのだと想います。その代表がカラオケかもしれません・・・カラオケはストレスの発散になり精神衛生上にも認知症予防的にも最高だそうです。  また、永六輔さんが生前ラジオでお話しされていたのですが、相撲の行司さんが力士の取り組み中に膠着状態のときに「はっきょいのこったのこった」という掛け声を掛けますよね。皆さんはこの意味をご存知ですか?諸説あるらしいのですが発氣揚々という言葉が詰まってハッキョイとなって気分を高めて全力で勝負しようという意味らしいのですが、永さんはそれにプラスしてハッキョイとは吐く息よ用意はいいかが縮まってハッキョイになり、副交感神経を優位にさせ逆にリラックスさせて力士に力を出させた言葉なのではないかと言っておられました。なるほどなぁと想った記憶があります。永さんも今年7月に、お亡くなりになりましたし、朋友の巨泉さんも永さんの亡くなった5日後に亡くなりました。僕は二人のファンでよくラジオを拝聴しておりました。謹んでご冥福をお祈りいたしす。  まだまだ息を吐くことは身近にあります。声を出す事にもつながる、「言葉」です。言葉を発するという事が息を吐いているという状態で日頃我々が何気なく行っている本能とでも言いましょうか、人と人とがコミュニケーションを取り合うには一番大切なものです。日本には古来より言霊という思想がありました。声に実際出した言葉が何らかの影響を与え、良い言葉を発すると良いことが起き、不吉な言葉を発すると災い事が起こるとされておりました。

 今年はオリンピックの年でした。日本選手団も過去最高のメダル数でよく頑張りました、沢山の感動がリオから届きました。言葉として発すると心身ともに元気になるベスト3 金メダル・銀メダル・銅メダルというものがありまして、銅は運がいいとか、ついているのラッキー、銀は嬉しいのハッピー、1位の金メダルは何だと想いますか?そうです。サンキュー(ありがとう)です。この様に嬉しい、愉しい、倖せや、感謝します、最高です、大好き、愛してますとかの言葉を当院では天国言葉と呼び、身体を元気にする言葉として表にして壁に掲示しております。自宅の日頃、目につくトイレの壁や冷蔵庫のドア等に貼っておくといいですよ!先程のあいうべ体操の進化型として、僕は娘にあ・り・が・と・う・べー体操をするといいよって教えております。ちょうど乳歯から永久歯に生え変わっている時期で現代っ子らしく、顎が狭く歯並びが悪いので、なんとかありがとうべー体操で改善しないかなぁと想っています。このままだと高額な歯科矯正代がかかってしまうので、体操はタダで出来るので何とか回避できるように祈っております。

 逆に不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句を五戒(五つのいましめ)といって身体を病気にする言葉で地獄言葉と当院では読んでおります。治療しててもなかなか治りにくい患者さんというのは、無意識のうちにこの五戒を口にしております。五戒は誤解を生みますし、元気になりたければマイナス言葉を口にしないというのも一つの手かもしれません。特に多いのが「もうやだ」「もういい」「どうして私だけが・・・」という言葉がよく患者さんの口から発せられます。  実際にペットボトルに水を入れてその水にいつも「ありがとう」とか「大好き」とか、「嬉しい」とかのプラス言葉をずっと言い続けたそうです、そしたらその水の結晶はとてもきれいな六角形を型取りました。それとは反対に、今度はその水に「ばか野郎」とか「ムカツク」「ウザイ」とかのマイナス言葉をずっと言い続けたそうです。そしたられですね・・・ 水の結晶はとても恐ろしいこの世の者とも思えない形をかたどったそうです。

 これ以上に水がひどく腐ってカビが生えてしまった行為があったそうです。皆さん水に何をしたと想いますか?実はですね、水に何も話かけず、ずっと無視し続けたそうです。 親が小さい子供の面倒を見ずにろくに食事も与えないネグレクトで悲しく痛ましい事件が起きたり、学校や職場で周りから無視され続けるというイジメも悲しい行為ですよね。無視や無関心がどれほどに水にとっても人間にとっても、つらく・悲しいことであるのか。我々の身体は70%は水でできていると言われております。自ら発した言葉を自らの身体が一番近いところで聞き取っておりますし、その波動が身体の細胞に伝わり元気になったり病気にもなったりするのです。出来れば五戒を発せずにいい言葉を口から出すようにしたいですよね。そして、どんな一言でもいいですから植物・鉱物・動物・ペット・友人・家族あらゆる生きとし生けるものに声がけをしてみてください。  口から吐く言葉からマイナスを取ると叶という字になります。ですから口から出す言葉をプラスだけにすれば自分自身の夢がかなったり、理想の自分になれたりと自己実現が完結します。三調の初めに姿勢が変わると呼吸が変わり呼吸が変わる心・意識までも変化わり、人生までも変える事ができるといいました。「息が詰まれば、行き詰まり」「息を変えれば、生き方が変わる」という訳ですね!

【姿勢について】 ここでクイズを出します。次の姿勢の中で一番いい姿勢はどれですか?という問題です!

A(気を付け) B(立禅姿勢) C(日の丸)  Aの人が多いのではないでしょうか?しかし、Aの姿勢は所謂気を付けの姿勢です。昔から学校の体育の時間等で「気を付け」・前に習え・休めなど姿勢を教わり、背筋ピーンっとを伸ばしてきたという人が多いのではないでしょうか?確かに背筋をピンと伸ばすと、心までシャキッと整うような気持になり身も引き締まる感じになりますが、元々この姿勢は軍隊の姿勢であり、集団行動を規律よくするための姿勢です。やや前傾になると日の丸特攻隊姿勢、永遠のゼロ姿勢になります。これがCの姿勢ですね。戦場では常に緊張感を持ち、上官の指示に即座に反応しなければなりませんし、この姿勢は命令系統を円滑にするのには適しておりますが、心身にとって全面的に、適切であるかどうか?時代にも会いませんしね!正解はBです。力が抜けたやや猫背の姿勢ですよね!

 どうして、Aの「気を付け」姿勢が良くないかというと、胸を張って、背中をピンッと伸ばし腰を反らす出っ尻姿勢である気を付け姿勢は背筋をピンと伸ばしたとき、背骨を支えている背筋群に無理な力が入り過ぎて身体は緊張状態になります。そして、身体の各所に不自然な力が入り、身体全体の筋肉が緊張し硬くなってしまうという訳です。  自律神経的には気を付け姿勢は交感神経が優位になり末梢の血液が滞り、腰痛や肩こりの原因にもなりますね! 基本的な姿勢の整え方は上半身の力を抜いて、下腹に力を入れる事です。身体の重心が常におへその下側の下丹田とも呼ばれる場所にあるようにイメージをして下さい。  臍をへこましドローインすると下っ腹に力が入りその反対側の腰の所にある命門というのツボが開く感じになります。頭頂部の百会というツボから糸がピーンと出してハンガーで吊られている様な感じに、足首の内踝の真下の足底部のウナに体重が乗っかるといい姿勢が保てます。  そして、姿勢を整えるために、重要なパーツとして背骨があります。身体の中で最も大事な「軸」とも呼べるものですね。この軸が整うことによって我々の身体は機能し始め、血液・リンパ液・脳脊髄液、ホルモン等がしっかり流れて身体の中を廻りはじめます。万物にも必ず軸があってそこを中心にして回転する訳ですが、コマも軸がしっかりとしていると長く綺麗に回りますが、軸がぶれておりますと少し回ったとしてもすぐに転がってしまいますよね。地球にも地軸という軸があって23.4°傾きながら自転し太陽の周りを公転してますよね。  ここで一度、正常な背骨とはどんな状態なのか確認しておきましょう。 我々の背骨は7個の頸椎と12個の胸椎、5個の腰椎、その下に仙骨、尾骨がつながっています。レントゲン写真で背骨を真後ろから見ると真っ直ぐなのですが、横から撮影した画像だと緩やかなカーブを描いています。これを生理的弯曲といって、首が前に背中は少し後ろに、腰はまた前にとS字状の緩いカーブを描きます。 皆さんなぜ背骨は緩やかなS字のカーブを描いているか分かりますか?  その理由は人間の頭にあります。頭の重さは大体体重の10%程度あります。50㎏の人は5㎏、60㎏の人は6㎏という様にです。その重い頭をしっかり支え、頭の重みからくる衝撃を吸収したり、力を分散させて身体を安定させるためにカーブがあります。この様な機能のおかげて我々ヒト、ホモサピエンスはサルとは違い霊長類の最高位に君臨出来、直立歩行が可能になり、大脳が発達して、言葉や道具が使え、文化・文明が発展し現在に至っているという訳です。そして、神さまは一番重い頭部を一番上に持って行って下さったという事には神さまなりのちゃんとした理由もあってですね、人類がここまで滅びる事もなく進化できて来たのではないでしょうか?  そして、骨盤の真上に頭があったほうが効率よく動くことが出来ます。しかし最近はその頭が前方にスライドして顎が上がっている人が多い様に感じています。

【不良姿勢】  先程お話しした背骨のS字カーブが日頃の生活習慣等で大きくなり過ぎてしまって、背骨の弾力性が失われ、全身に負荷がかかることになっています。その代表、胸椎のカーブが後ろ側に大きくなったものが「猫背」です。胸椎の元々の自然なカーブは63°です。その角度が大きくなると、所謂猫背になってしまうのです。スウェイバックともいわれています。特徴は頭が前に出て、背中が丸まり、骨盤が前方にやスライドし後ろに傾きます。

 一方、腰椎の前に行くカーブが大きくなると「反り腰」になります。特徴はアゴが上がり、背中が過度に丸まり、腰が反りすぎるので、お尻が出っ張り、骨盤の前傾が大きくなります。  最近特に目立って多いのが、「平背」です。フラットバックとも呼ばれ、背骨の弯曲が無く全体的に真っ直ぐでバネが効かず、負荷分散の機能が低下します。頭が前に突き出て、肩も前に出ます。腰椎の前弯がなくなり、骨盤も前傾がなくなり後傾気味になります。デスクワークなどで長時間椅子に座ってパソコン等行っていると、全体的に背骨のカーブが失われるといわれています。  もし、自分で背骨のカーブが適正であるかどうか調べたいなら、壁を背にして立ち、「かかとの後ろ」「お尻のトップ」「背中のトップ」「後頭部」、これらの4点が1本の線上にくるように意識してみてください。4点が1本の線上にあるのが、正しい背骨の状態と言えます。もし、どこか1点でも同時に壁につけられないという人は、背骨のカーブの大きさが、適正ではなくたわんだ状態であるということになります。一番よくあるタイプが壁にかかとをつけて、お尻と背中のトップを壁に付けると、後頭部がなかなか壁に密着しないというケースです。これがフラットバックの状態です。壁には下から踵→お尻→背中→後頭部の順につけるのがコツです。

【正しい姿勢のポイント 】 ・横から見た時  頭頂部から耳たぶ・肩峰・骨盤・大腿骨の大転子・膝関節の中心よりやや前・外果のやや前が一本の線で黒い重心線上にあるかどうか?まっすぐ通ったラインに並んでいる状態が理想です。頭部や顎が前に出ていないか、肩が前に出ていないか、猫背や反り腰、平背はないか、膝の反り返りや曲りはないか、前のめりや後ろのめりがないか、自然なS字状のカーブは出来ているか等を診ます。スマホのアプリにもこれを見ていい姿勢かどうか判断するものがあるみたいですね。 ・正面から見た時  顎の高さ・目の高さ・肩の高さ・骨盤の高さ、位置が左右対称であるかどうか。頭はどちらかに傾いていないか頸椎が捻じれていないか等を見ます。

 どんな姿勢がいいのですか?とよく患者さんからも質問を受けるのですが、その人にとってのベストなポジショニングというものが人それぞれにあるとあると想います。その方の中庸の場所をさがしていただいて、極端に前のめりになったり、後ろにふんずり返ったりする姿勢には問題がありますが、、普通の姿勢ならいいと想いますし、大切なのはとにかくその方にとっての楽な姿勢です。現在は猫背がダメだダメだとよく言われていますが、この常識もあと数年するともしかしたら猫背は身体にいいという時代がくるかもしれません!今日の常識は明日の非常識ですので常識を疑ってみるというのもたまにはいいかもしれません。  当院ではお一人おひとりの姿勢を分析させていただきまして、その方にあったベストな姿勢を見つけ出しその姿勢を維持できるようにするといったような事をも保険外診療でやらせていただいております。

【座位の健康被害】  「座位による健康被害は喫煙に匹敵する」と言われ、1時間座ったままの姿勢を続けるごとに寿命が22分ずつ短くなるとも言われております。  座りっぱなしで体を動かさない生活を「セデンタリー・ライフスタイル」と呼ばれ世界的に問題になっております。セデンタリーとは「座りがちで、殆ど身体を動かさない」という意味でWHOによるとタバコ・不健康な食事・アルコールの飲み過ぎと並んで癌・糖尿病・心血管疾患・慢性呼吸器系疾患を引き起こす原因となり、年間約200万人の死亡原因となっていると報告しています。そして、世界の死因の10位以内に入る日も近いと警告しています。  日本人を含めた約100万人のデータを分析した報告によると、殆ど運動せずに座る時間が1日8時間を超える人は、良く動き座位が4時間未満の人に比べて死亡率が59%高かった。しかし、座位が8時間を超えても中等度の運動を1日60~75分かそれ以上していれば死亡率は上がらなかった、というデータがあります。座ったままはよくありませんが、良く動けばその影響はどうやら帳消しにできるらしいです。運動のし過ぎも問題です。デンマークの研究チームは昨年、ジョギングを速いペースで沢山するより、ゆっくりか平均的ペースで週に3回以下の方が死亡率が低いという研究結果を発表しました。運動は適度にするのが一番よく、やり過ぎはまったくやらないより健康被害が大きいとの報告もあります。時間にしたら110分を超える運動を連続してやらない方がいいみたいですね。

【座り過ぎリスクを回避する方法】 ・30分に一度は立ち上がり、ちょっと動いてみる ・自分が1日何時間座っているか計算してみる ・日中テレビを見ている際にテレビコマーシャルを合図に動いてみる ・友達と会う際は喫茶店や飲食店ではなく公園にする ・メールを送る代わりに相手のところに行って話しをする ・必要なものをわざと遠くに置き、それを取りに動く ・椅子をバランスボールに変えて座る  アメリカの小学校では立ったままの脱椅子授業を行っていたり、シリコンバレーでもフェイスブック社も立ったままで仕事をしていたりします。パソコンも時間の経過によって警告音が鳴るものや、すぅーと空気が顔に当たるもの等も開発されている様です。 ランニングマシン付きのパソコンデスクも結構売れているようですね。

★この続きはくるくる保健室No.18『第1回くるくる市民公開講座 その3』(毎週更新予定)をご覧ください!!★

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